記憶を定着させる、考えをまとめる、アイデアをさらによくするには、時間が必要だ。
すぐに結論付けるより、時間を置いた方が、より良い判断ができると感じる。
これには、一旦、頭から考えを離すことが必要だ。
頭から考えを消し去るのではなく、隅っこに置いておいておく。
置いた場所を忘れないようにする。そして一晩は寝かせておく。
一晩寝かせると、考えがまとまっていたり、ハッと解決策が思い浮かんだりする。
記憶においては、一晩寝かせると忘れていることがある。
このタイミングで再び思い出すことができれば、長期記憶へ移行できる。
時間を置いて考えること、それは脳が「こねる」時間を確保することだ。
「こねる」時間を取る理由には、下記がある。
- 感情優先ではなくなる。冷静に判断できる。
- つながりを再構築できる。
- 予測を判断に組み込むことができる。
感情優先ではなくなる。冷静に判断できる。
チンプパラドックス(スティーブ・ピーターズ著)の中でも言っている。
感情と理性は相反するものである。理性は感情を直接コントロールできない。
感情と折り合うには、しばしの時間が必要である。
「こねる」時間を持つことによって、理性をもって判断が可能になる。
つながりを再構築できる。
一旦、考えを離すことによって、脳はつながりを構築できる時間を持てる。
つながりを再構築することにより、考えがまとまっていく。記憶も強化される。
「こねる」ことは、「つながり」を作ることにもつながる。
予測を判断に組み込むことができる。
脳につながりを再構築させる時間を与えることによって、今までの経験だけでなく、予測をつながりに加えることができる。
予測をするには、要素が必要であり、すぐに考えの中に組み込むのは難しい。
「こねる」時間を持つことにより、脳があらかじめ考えの中にある予測を加えて、新たな判断を取り入れてくれる。
時間を置いて、脳に「こねて」もらう。
こね終わると、パッとまとまった考えや答えが出てくる。
こね終わると、より記憶に浸透していく。
定期的にこねずにいると、消え去ってしまう。
ある程度こねながら、放置して熟成させて、取り出す。納得いかなければ、またこねる。
そうしていくうちに、より洗練された納得感のある、まとまり方をする。
そのためには、時間が必要だ。一晩、また一晩、頭から切り離して、「こねる」時間を持つ。
こねる時間が、新たな考えをつくってくれる。