学ぶ 音と記憶 / 思い込む

インプット

音と記憶

不思議な番組があった。星野源の音楽口論。その中で、ジョン・ケージ作曲4分33秒の演奏があった。演奏と言っても全て休止の楽譜。音は鳴らない。沈黙の時間。その中でも、人は音を聞く。自らの身体の音を聞く。その音が流れていく。
音は流れて残らない。しかし印象的な音は記憶に残る。記憶に残るが再生することが難しい。音を記憶に残し再生するには、どのような技術が必要だろうか。どのようにその能力を伸ばしていけばいいだろうか。
やりたいことを考えてみる。長いフレーズの音を覚えたい。覚えた先から、同じ音を出していく。その音を覚えたら、音を聞きながら先の音を予測して音を出していく。自分が思い出した音が、自分が言いたい思いとつながっている。自分の思いが音になる。「覚える」以上に「反応」の方が近い。気持ちに音が反応している。
反応を引き出すには、反復練習しかないのだろうか。生きていることは、息を吸い吐き、食物を食べ消化して出すことの繰り返し。これを繰り返すように、プラスの能力も繰り返して手に入れる。そこに矛盾は無い。反復のリズムに乗って練習することが、心地よく続ける唯一の方法だ。
そして、予測。予測は先の反応を引き出す。予測の精度があがれば、先にたどり着くことができる。予測をして、反応への速度をあげる。予測を生み出すためには、多くの経験が必要だ。これも、反復練習とつながる。
心してかかれ。

思い込む

「俺は最強だ」車いすテニス選手だったの国枝慎吾さんが、ラケットに書いていた言葉だ。この言葉で自分を奮い立たせていた。俺は最強だと思い込むこと、これが生涯グランドスラム、金メダル3つを取った秘訣の1つだと思う。
自分が成し遂げたいことがある場合、その自分になったことを思い込む。その自分になれることを疑わない。これが最も重要なことだ。少しでも「自分なんか」と思っていると、それだけで「できない」方向へいってしまう。自分を信じて疑わない方向に、向かなければならない。そのためには、不安要素を一つずつ潰していくことだ。自分がその方向へ進んで成し遂げるために乗り越える壁を把握して、それをクリアしていくことだ。不安と向き合い、その先を見つめることが大切になる。成し遂げるべき目的の前にある壁を乗り越えたとき、壁を乗り越えた達成感がある。でもそれは、まだ道半ばである。道半ばであるがゆえに、満足してはならない。その先を見据える中での達成感であることを、意識することが必要だ。なりたい自分になれると思い込んでいるのであれば、道半ばの壁を乗り越えただけでは満足しないだろう。もっとなりたい自分に近づけるように、新たな壁に向かってチャレンジするはずだ。
学ぶ上で、目的を明確にして、目的へ向かうための実現可能な目標を立てることは、まず初めに行うべきことだ。その際に、なりたい自分になれると思い込むことは、目的を達成する上で最重要項目だ。肩肘をはらずに、自然体で思い込めるようにしたい。否定的な考えを即座に捨て、信じて疑わない姿勢が大切だ。